キリエという古代からの祈りの詩
私たちは大自然が好きです。青い空。綺麗な緑の植物。
秋の紅葉。透き通った爽やかな水。静かに流れる川の音。
しかし、その大自然に裏切られるような時が来ます。大きな
地震や津波。大雨による洪水災害。日本だけではなく、世界
のどの文化でも大自然の恵みと恐ろしさに準じて、神様から
の豊かな恵みに感謝すると同時に神様を畏れる心を抱いてき
ました。大昔の人は謙虚で、権利意識を持ちませんでした。
王様に対しても、神様に対しても、「自分の幸せは当然の
権利だ」とは思いませんでした。農業で生きている人の多い、
昔の社会。雨が降るかどうかによって、生活が大きく左右する
人々。隣の国に侵略されるかどうか、常に怯える戦国時代の
ような世の中。そういう背景のなかから、簡単な祈りが
生まれてきました。「主よ、憐れみたまえ」。私たちの
礼拝のなかでも、キリエとして祈ります。現代人の私たち
にはピンと来ない時もあるかもしれません。「優しい、
愛する神様でしょ?私を幸せにするのは神様の責任でしょ?」
うんんん、どうでしょうか。でも、現実に生きるなか、病気に
出会い、死の現実に出会い、失業に出会い、困難に出会い、
イジメに出会い、寂しさを体験、戸惑う心、謙虚な心に戻れば、
この昔の祈り、「主よ、救い主よ、憐れんでください」、本当は
今でも通用する祈りではないでしょうか。David R Nelson (デイビッド牧師)2024年8月24日